保険・自費の根管治療の違い
保険診療内の根管治療について
むし歯が進行して、痛みや腫れがひどくなり、根管治療が必要になった場合、保険が適応されることで費用を抑えることができます。しかし、保険適応の治療は安価な反面、充分な時間を割けないことがあります。保険診療では、国で診療報酬が定められているため、一人あたりの診療時間が短くなりがちです。そのため、治療の質を維持しつつ、歯科医院の経営を成り立たせるために、1回の治療時間を短縮し、治療回数を増やす傾向があります。また、根管治療は精密な処置が求められるため、高度な技術や専門的な設備が整っていることも重要です。しかし、保険適応の治療ではコストの制約があるため、必要な機器や材料を使用することが難しくなることがあります。その結果、治療の精度が低下する可能性があります。保険適応の治療で費用を抑えることはできますが、可能な限り、根管治療を成功させるためには、自費診療内での治療をおすすめします。
自費診療での根管治療について
自費診療の根管治療では、マイクロスコープやラバーダム、ニッケルチタンファイルなど、根管治療の成功に不可欠な精密機器や薬剤、材料を使用し、高度な治療を提供しています。さらに、精度の高い被せ物を作製することも可能です。適切な工程を経て、歯との隙間をなくし、適合性の高い被せ物を作製します。治療の成功率は、根管治療の精度と被せ物の精度に左右されるため、被せ物の作製も重要な要素です。自費診療では、患者様お一人おひとりに十分な時間をかけた治療が可能です。時間をかけて丁寧に治療を行うことで、精度の高い結果を得ることができます。保険診療よりも精度の高い治療が可能なため、成功率も高まります。当院は、保険診療内でも質の高い治療を心がけていますが、長期的な健康を見据えた治療を提供することを重視していますので、自費診療をおすすめします。
当院の精密根管治療
拡大視野下での治療を可能にする「マイクロスコープ」
当院は、マイクロスコープを用いた精密根管治療に対応しています。拡大視野下で治療を進めることが可能なため、感染箇所の取り残しを防ぐことができます。そのため、根管治療の成功率が高まります。治療時間の短縮にもつながりますので、患者様の負担も少ないです。
「歯科用CT」による正確な診断
歯科用CTを用いた検査を行うことで、正確な診断が可能です。そのため、成功率も向上します。歯科用CT撮影では、顎の骨の形状や歯と神経の位置関係、骨の密度など、治療前に必要な情報を立体的に把握できます。特に、根管と呼ばれる歯の根の中の複雑な構造も、CT撮影によってその形態や病巣の状態を正確に評価できます。
口腔内の無菌状態を可能にする「ラバーダム」
根管治療は、治療中に口腔内の細菌や汚れが根管に侵入することを防いで、無菌状態を維持することが重要です。そのために用いられるのが、ラバーダムです。この方法では、治療する歯だけを露出させ、口腔全体に薄いゴムシートを被せて根管内への唾液の流入を防ぎます。これにより、治療中に細菌や汚れを含む唾液が根管内に侵入することなく、無菌状態を保つことができます。また、口腔内の粘膜を保護するだけでなく、吸引や誤嚥を防ぐ役割も果たします。
柔軟性に優れた「ニッケルチタンファイル」
当院の根管治療では、柔軟性に優れた「ニッケルチタンファイル」を使用しています。根管治療において、感染した歯髄を除去するために使用されるファイルは、治療の成功に直結する重要な歯科用器具です。保険診療内においては、ステンレスファイルが一般的ですが、ニッケルチタンファイルと比較すると、柔軟性に欠けます。曲がりくねった根管の清掃には、不向きなこともあり、根管を損傷する可能性もあります。一方、ニッケルチタンファイルは柔軟性に優れており、複雑な根管内でも効果的に清掃することが可能です。そのため、根管治療の成功率が向上し、ファイルの破折のリスクも軽減されます。
自費の根管治療の成功率が高い理由
保険の根管治療がむし歯を再発しやすい理由は、むし歯の発生原因が細菌感染であり、再発の直接的な原因も同様に細菌感染だからです。つまり、保険治療において成功率が低い理由は、結局のところ“細菌を除去しきれていない”ことに尽きます。根管治療は“歯の神経を抜く治療”と言われますが、適切な処置がなされないと、歯の中で細菌が再び増殖してしまいます。実際には非常に難しい治療であることを認識する必要があります。保険の根管治療の場合、時間や使用する設備に制限があるため、歯科医師の技術が優れている場合でも、成功率を最大化させることが難しいです。自費診療の場合は、より精密な診断・治療が可能なため、より再発リスクを抑えることができます。当院は、なるべく歯を残して健康な生活を送っていただくために自費の根管治療をおすすめしています。根管治療で症状が改善されない方へ
「歯根端切除」に対応します!
当院は、歯根端切除にも対応しています。むし歯が進行して神経まで達した場合、通常は根管治療によって虫歯菌に汚染された神経や組織を除去し、天然歯の保存を目指します。しかし、根管治療後には、歯根の先端部分から出た菌によって骨が溶かされ、歯根嚢胞ができることがあります。この歯根嚢胞は再根管治療でも改善されない場合があり、抜歯が検討されます。その際、抜歯を避けるために選択される治療方法が歯根端切除です。歯根端切除の大きなメリットは、抜歯を回避し、大切な天然歯を残すことができる可能性が高まることです。失った歯の機能を補うために入れ歯やブリッジを使用することもありますが、天然歯にはかないません。そのため、天然歯を残すことができる歯根端切除の選択肢が増えることは、患者様にとって大きなメリットです。